Mamiko Kikuchi

少年たちの性の目覚めを描いた作品たち


大人になるまだずっと手前の少年時代。
でも心躍る誰かに出会って、体に電気が走っってドキドキしてしまう。
それが恋なのか何なのか答えが分からなくても、身体が反応してしまうそんな時期が必ずある。
この世にはそんな少年時代の性の目覚めを描いた映画が数え切れないほどあって、この類の映画は殆どハズレがない。
それはかつて少年だった監督たちが大切な記憶を辿り寄せて、宝物を見せるかのように作品を作り出すからだろう。
私は少年にはなったことないけど、よく映画のを通して自分が経験できなかった少年の想いを追体験する。
そうすると観終わったあとはしばらくの間全く違う気持ちで世界が見えることもあるからこの手の作品は観るのをやめられない。
少年だった人は遠い少年を呼び戻して、そうじゃない人も新しいココロで、是非ともこの極上の少年時代の物語を堪能してほしい。

Mamiko Kikuchi

マレーナ

公開年:2000年
製作国:イタリア/アメリカ
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ

太陽が照りつけるあの道で、僕は初めてこの目で女神を見た。
僕が恋したあの人はいつも一人きり。
だけど僕はただ遠くから見守るだけ。
もし僕がもっと大人ならば、彼女は僕に振り向いてくれたのだろうか?
12歳の僕は、初めての大人の香りを胸にしまうしかできないけれど、彼女が初めて僕に微笑んだあの瞬間は僕だけのもの。

少年の性の目覚めの瑞々しさに、大人の醜さを対比させ、少年レナートの甘酸っぱい妄想恋愛を生々しい思い出に発展させたこの物語。
マレーナ役のモニカ・ベルッチのセクシー登場シーンは映画史にも残る神々しさで、画面からはみ出るほどのモニカの妖艶な魅力に酔ってしまいそうになった作品です。

Mamiko Kikuchi

おっぱいとお月さま

公開年:2014年
製作国:スペイン/フランス
監督:ビガス・ルナ

聞いてよ、ぼく恋をしたんだ、おっぱいに。
弟におっぱいをあげるのが忙しいママは嫌い!
直接的すぎるタイトルですが、これは涙を集めるのが好きな踊り子のおっぱいに恋をした主人公テテのお話。
彼女のおっぱいを見ながらミルクを買うテテ。
ライバルのミゲルが求めるのがパンティなら僕はブラジャーだってはちゃめちゃな理論を振りまくテテ。
真っ直ぐに、淀みなくこんなにおっぱい一直線なのは愛おしすぎる。
ふざけてそうで、ギリギリふざけてない、バカ真面目に大好きものに向かう姿はとても真っ直ぐで、愛おしい。
言うなればおっぱい好きのためのお伽話。
めちゃくちゃおおらかそうなスペインとフランス女性の大胆な脱ぎっぷりに、おおらかで幸せな気分にさせられます。

Mamiko Kikuchi

ハートストーン

公開年:2016年
製作国:アイスランド/デンマーク
監督:グズムンドゥル・アルナル・グズムンドソン

海から上げられたまま腐っていく魚たちのように、心の中に芽生えても誰にも気づかれることのない感情がある。
だだっ広い自然と、果てしなく広がる海に囲まれた村なのになんという閉塞感。
キスゲームしてた少年少女たちを生き生きと見せる前半と、閉じ込めた感情あふれだす後半は全く違う印象の物語。
アダムとイブが聖書の綴られた時代から、男と女が組み合わさるのが人間の必然のようにされてきたけど、じゃあ男同士、女同士の性愛はいつどんな時に目覚めるの?
自分のことは自分が一番わかるなんて思うのは人の驕りで、自分のことは自分が一番知らなかったりするものなのかも。
性の目覚めをここまで切なく描いたのものが未だかつてあっただろうか?
思い出すだけでも、また胸の奥まで苦しくなる、アイスランドの小さな恋の軌跡。

Mamiko Kikuchi

ミルクマネー

公開年:1994年
製作国:アメリカ
監督:リチャード・ベンジャミン

ママを知らない少年=おっぱいを知らない少年フランクは、友人達とお小遣いかき集めて自転車で町に行き、娼婦におっぱいをみせてもらおうと計画するのだけど、それがとんでもない奇跡を生むことに!
それにしてもこの年代の女体への執着は半端ない。
この少年期の女体への欲望というものこそ、素晴らしいドラマを生むきっかけもあるんだってことも教えてくれるこの物語。
「好奇心」と「大好き」がうまくハマって、化学反応見たいに新しい「愛」が生まれる瞬間があるんだね。
それにしてもこの作品で娼婦を演じた、メラニー ・グリフィスが、めちゃくちゃエロくて、可愛らしくて、ユニークで最高すぎた!
魅力的な彼女に癒されながら、少年たち素敵な青春を一緒に楽しませてもらえて、幸せ。何度でも、観たくなる幸せな作品。

Mamiko Kikuchi

ペンギンハイウェイ

公開年:2018年
製作国:日本
監督:石田祐康

悔しい、ほんと悔しい。この作品を観るまではこんなに自分が少年時代を通過してないことを悔しく思った事はなかった。
なぜなら楽しい作品だけど、もし私に少年時代があれば、この何倍も楽しめたかもと感じたから。
普通の住宅街に突如と現れるペンギンたちの行列。そのペンギンハイウェイの謎を解くために、青山くんは仲良しのお姉さんのおっぱいについて研究をこっそり始める・・・
こんな風にあらすじ書くと訳わかんない内容なのに、観てるうちにこの不思議な町に一気にトリップさせられて、なかなか出られない。
わけわかんないままに、この不思議な冒険物語が楽しすぎて何故か最後は泣いてしまったのは、私の前世に、少年だって頃があったからなのかな?不思議。
もしもあなたに年上のお姉さんに憧れた少年時代があったなら、きっと心の琴線に触れてノスタルジックな気分になれるはず。
遠い夏にわたしもこんな冒険の思い出があったのなら、もっと立派な大人になれてたのかな?