クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち
監督:フレデリック・ワイズマン
パリにあるキャバレー、クレイジーホースに密着した映画。ヌードで官能的に踊る女性たちは、「エロ」でなく「エロティシズム」と言える。宇宙船のようなものの中で透明のヘルメットをかぶって無重力空間のように踊る姿や、鏡の反射を使った体のラインの美しさが映える演出、照明を使い影の遠近感を利用したショーが印象的だ。さらにフィリップ・ドゥフクレの指の先まで及ぶ演出、振付が加わる事でより繊細に表現される。芸術監督のアリ・マフダビは「女性がエロチシズムを楽しむと男性よりも楽しめる」と語る。
確かにこのショーは男性の為に消費されるヌードとは程遠く、”女性の美”への探究であった。
ナレーションが無いこの本作は自分が入り込んでいるような感覚になる。説明なしに話の流れを作っていくのはかなり難しいことだから、面白い。