HARUKA

狭間の映画

見た人の意見を聞きたい作品を選びました。一緒にこれらの映画について話して何か新しい解釈を見つけたり、ただ単にこのシーンのここが良かったよね ~!と共感したり。
コミュニュケーションを生み出したい映画たち

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TECHNOLOGY

監督:遠藤麻衣子

「謎の力によって月からさらわれ地球にやってきた少女の話」と監督は言うように、謎が多い作品。しかし、魅力的であり引き込まれ、可能性が広がる謎の表現は他のよくわからない映像作品とは違う。西洋と東洋の融合の作品でありインドでの手持ちカメラで撮ったような映像と、デンマークで撮った絵画のようなカットは対比し、また作品の中で融合している。音楽は、真空状態から初めて外に出たように空気を吸い、息をしていた。

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DOWNTOWN81

監督:エド・ベルグリオ

ジャン=ミッシェル・バスキア本人がニューヨークのダウンタウンを彷徨う中で次々と出来事が起こる様子をドキュメンタリーのように映す。美女と出会ったり、サイコチックなサウンドを奏でるロックバンドD.N.Aのスタジオ演奏のシーンや、立ち寄ったクラブでファッションショーのシーンがあったり。最後は魔法がかかってファンタジックに終わる。とにかく自由で楽しい。

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仮面ペルソナ

監督:イングマーン・ベルイマン

失語症になってしまった舞台女優のエリザベートと、エリザベートの担当看護師のアルマの話。ラテン語で仮面という意味のペルソナ。1人の女性の外での顔と本当の自分がぶつかっていく様子が二人の女性を通して劇のように映される。芸術はある種鏡のような効果があり、改めて発見できたり思考をアップデートしたり自身との対話だったりする。鏡に映る対象物と実物を 3つ目の視点(カメラ)が捉えるという映画の姿を現しているようにも思える。また、どのシーンでも白黒のコントラストの美しさに魅了される。

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渚のシンドバット

監督:橋口亮輔

レイプ被害の過去がある少女相原、ゲイの少年伊藤、少女のことが気になっているが伊藤が思いを寄せている吉田の三人の高校生が過ごす夏の物語。田舎の長閑な空気感と夏の湿っぽさと不器用な高校生たちの相性がなんだか心地よい。最後の海辺のシーンは胸がきゅっと締め付けられる。

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監督:木村あさぎ

肉体との対話をしている映画。人は嘘をついたり、仕事での自分の姿があったり、外見を気にしたりとうろこを纏っているよう。しかし 本来の自分を無くすのではなく、あくまでうろこで自分を守っている。そのうろこをゆっくりとめくり、剥がす事で監督自身を表現しようとするような作品。ここではうろこを纏うことを否定せず、向き合っている。その慎重さが今の時代必要なのかもしれないと思った。