弓削匠

音の視覚的イメージ

弓削匠 | TAKUMI YUGE

HARD CANDY / NED DOHENY 1976

 

言わずと知れたAORの大名盤であるこの一枚、僕が出会ったのは中2頃だから1987年辺りだろうか、、このカラッと晴れ渡った空と水を浴びてる男。なんとも爽やかではないか。きっと音も爽やかに決まってると想像して買って聴いてみたら案の定西海岸の爽やかな風を感じられた。僕が一番最初にレコードジャケットというものを意識した一枚である。後に僕はCDジャケットなどのアートディレクションなどを手掛けることになるのだが、確実にこの一枚が原点である。このカバーはMoshe Brakhaが撮っていて、彼は当時CBS SONY のアーティストをよく撮っている。彼の色が一発でわかるデイライトシンクロが大好きで一番のお気に入りのフォトグラファーです。

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WATERCOLORS / PAT METHENY 1978

 

1978年にECMから出したセカンドアルバム。メセニーとの出会いも前述したネッド・ドヒニーと同じ頃だったと思う。当時ベストヒットUSAで最新作『STILL LIFE(Talking)』からLast Train HomeのMVが流れていてU2のWith Or Without Youとチャートを競っていた記憶がある。なんとも洒落たヒットチャートである。僕はLast~にハマりレコードを買いに店のメセニーの棚を見ていた時にWatercolorsのジャケに惹かれ、最新作ではなく当時から10年近く前の作品を購入することになった。本当に綺麗なジャケットで中に詰まってる音も本当に綺麗な音で衝撃を受けた。
ECMと言えば、総帥マンフレート・アイヒャーが掲げる「沈黙の次に美しい音」がコンセプトになっており、そのアートワークも一貫している。
デザイナー、ヴォユルシュ夫妻に写真家ディーター・レームが有名であるが、この作品はDieter Bonhorst(D) / Lajos Keresztes(Ph)の作品

弓削匠 | TAKUMI YUGE

IN THROUGH THE OUT DOOR / LED ZEPPELIN 1979

 

ヒプノシスが手掛けた素晴らしいジャケットデザインは沢山あるが、その中でもコンセプト的に気にってるのがこのツェッペリンにとって最後のオリジナルアルバム「In Through The Out Door」だ。このアルバムは6種類のデザインが用意されていて、茶のクラフト紙の袋に入って売られていたので購入して開けるまでどのデザインかわからなという仕掛けである。白スーツの男の周りにいる6人の人物、それぞれからの視点で撮られた写真が都合6種類のジャケットデザインになってるわけだ。因みに僕は4種類まで集めて今の所放置状態である。

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THE NIGHTFLY / DONALD FAGEN 1982

 

このアルバムを簡潔にまとめるのは困難を極める作業である。考えうる全ての細部まで計算し尽くされた現代最高の総合芸術的コンセプトアルバムだと僕は思うのだが。。。当然ながらジャケットデザインにも色々なギミックが仕掛けられている。(今回は音の事には触れない事にしよう)壁の時計が4時9分3秒で深夜のラジオ放送であり、レスターナイトフライに扮するフェイゲンが持っているタバコがチェスターフィールドキングサイズ、ターンテーブルがPara-Flux A-16でリボンマイクがRCAの44DX、そのタンテの前に置かれてるレコードがソニーロリンズのコンテンポラリーリーダーズという全て50年代の物で埋め尽くされてます。George Delmerico(D)/James Hamilton(Ph) 詳細はまた今度。。。

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DOWN ON THE ROAD BY THE BEACH / STEVE HIETT 1983

 

イギリス人写真家でギタリストであるスティーブ・ハイエットが1983年に出した唯一のアルバム。彼の写真を採用してるアルバムでダントツに愛してるのは、佐藤博の「AWAKENING」だが、アルバムで使われてる写真が一番好きなのはこの本人のアルバムなので今回は本作を紹介したいと思う。彼の写真はよくギイ・ブルダンと比較されたりするが僕は断然ハイエット派である。この作品には加藤和彦やElliott Randallも参加している日本企画なんですよね。夏は過ぎ去ってしまったが、気だるい夏の午後に聴きたいアルバムNo.1

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CLUB SURFBOUND / SHOGO HAMADA & THE FUSE 1987

 

僕が13歳の時に発売されたこのアルバム、発売日に新星堂へ買いに行ってから31年、ずっと好きで聴いている。このアルバムだけハマショーが作曲しておらず(二人の夏を除く)、ハマショーバンドのThe Fuseのメンバーが作曲・アレンジを手掛けていて飛び切り都会的でAORな仕上がりになっています。アートワークは長年タッグを組んでいる田島照久で、この他にも南佳孝の「モンタージュ」や来生たかおの「ロマンティック・シネマティック」のジャケットが特に格好良い。尾崎豊のセブンティーンズマップのジャケも最高だな。。。