Mamiko Kikuchi

性にめざめる女の子たち


性に目覚める時期って女の子は本当に幅広くて、小学生の子もいれば、多分高校生になっても目覚めない子だっている。
例えば誰かに片想いしても、少女まんがやドラマで観るプラトニックでさわやかな恋愛を夢見ることが殆どで、その相手の中に最初からセックスを想像していることなんてほぼないから。
なぜだかそういう訳で性の目覚めは初恋や異性の存在と全く別のところから始まる不思議な感覚。
今回紹介する映画の中の少女たちも、知らぬ間にムクムクと成長した「性欲」にどうにかして向き合って、泣いたり、苦しんだり、楽しんだりしてる。
なかなか見苦しいところもあるけれど、なんか彼女たちのことが愛おしくなるのは自分にとっても正直に生きてるからかも?

Mamiko Kikuchi

ニンフォマニアック

公開年:2013年
製作国:アメリカ
監督:ラース・フォン・トリアー

幼い時代から思春期までの美しく自分の価値を十分理解しながらありとあらゆる男とセックスすることを切望する。
それは時にそのセックスを友達とのゲームの材料にしてしまうほどに・・・
その女は自らをニンフォマニア(色情魔)と名乗った。
博学そうな老人は、偶然出会った女の過去のニンフォマニアな人生に耳を傾ける。2人の会話はかなり深いところまで行くのに、2人の目的が違うので全く噛み合わないところがちょっとコメディなのだけど、そのシュールさがこの作品の良いところ。
VOL.2のような変態さは少なくって、こちらは主人公が性に目覚めた年頃を演じたステイシー・マーティンが本当にかわいいのでオススメ。
エグいほどのエロスはこの次のニンフォマニアック人生は「ニンフォマニアックVOL.2」で楽しめます。

Mamiko Kikuchi

15歳、アルマの恋愛妄想

公開年:2011年
製作国:ノルウェー
監督:ヤンニッケ・シースタ・ヤコブセン

出だしから、ヒロインのアルマのとんでもない行為で始まる本作。
たった、15歳でこんな風になるかぁ?となるほどのとんでもない性欲だけど、それこそがもう偏見なのかも。
セックスしたくて妄想とまらなくてどうしようもない思春期の男子が何かしでかしちゃつお話はよくあるけれど、なかなかこんなエロな女の子を題材にしたお話は珍しい。
しかし、さすが北欧映画だけあって、こんなやばいのになぜか下品にはならずにギリギリのところでしっかりとオシャレで粋な青春ストーリーに仕上げてしまっている。
なんか不穏な空気になってどうなっていくのか全然読めなかったけど、なるほどそういう落とし前にしたか、、、。とニヤリ。
可愛くてなんだかいい感じの青春映画でした。

Mamiko Kikuchi

ビガイルド

公開年:2017年
製作国:アメリカ
監督:ソフィア・コッポラ

ピンと張った美しい水面に落ちた一つの雫の波紋が清らかな布に包んで隠されていた女たちの穢れた部分が徐々に露呈されていく。
張り詰めた静謐な世界で完結していた女子学生たちの真っ白い館に、ある時突然異物として投入された敵軍の兵士に少女から女たちまで欲望をこぼして、それはやがて狂気へと変化していくのだ。
感情を必死で抑え込むような女たちの表情に出さない静かな演技は繊細で美しく、どこまでも絵画の様に上品な映像だらけなのに描かれるのは女の闇深い怖さと、男の狡さと愚かさだけ。
嫉妬、裏切り、情欲をただ繰り返すこの結末はいかに?
まだあどけなさの残るエル・ファニングが、ゾッとするほどの魔性ぶりが際立った作品でした。

Mamiko Kikuchi

レイジーヘイジークレイジー

公開年:2015
製作国:香港
監督:ジュディ・ロック

始まりはふんわりした岩井俊二風な世界を想像してたけど、出るわ出るわヌードやSEXシーン。
女の子たちの剥き出しの大胆さに、観てるこちらは心がざわついてしまうのだけど、でもふと思う。私も青春の想い出を、きれいなカプセルに詰めて全てキラキラ輝かせてしまってるだけで、ほんとは時に傲慢で、欲にまみれたり残酷だったりしたのかもって。
ティーンに差し掛かると有り余るエネルギーが発散できない閉鎖された世界で叫びたくなる。
人を好きになったり、親友が別の親友を作ったり、愛する人を横取りされたり・・・
色々あるのに、最後は平然と爽やかガールズムービーみたいに締め括る。
考えてみたら女の子の関係ってそんな感じで儚くみえてだんだんパワーアップしていく。
パンチ力ある作品だったけど、男の妄想するキラキラ清潔感ある女子高生たちのイメージ糞食らえ!って感じの過激さがなんか忘れられないガールズムービーでした。

Mamiko Kikuchi

ミニーゲッツの秘密

公開年:2015年
製作国:アメリカ
監督:マリエルヘラー

こじらせ思春期の妄想物語だと思ってみたら主人公のミニーが思った以上の性欲モンスターすぎて少し心配なミニーが主人公のお話。
バージン捨てたくて捨てたくてたまんないミニーが初エッチに選んだのが、なんとママの彼氏だからけっこう笑えない。
とにかく、思った以上にダメダメ中年男のモンローと、ミニーの愛のないセックス三昧は若干見苦しく、一体全体何を見せられてるのか?と不安になるほどだけど・・・
まぁ、まだ十代。いろいろ痛い目にあって、大切な人傷つけて分かることもあるよね。
因みに劇中ミニーの描くポップアートの世界はとてもかわいくって、バージンだったころの鬱屈したアートと、少し痛い目にあって経験したあとのミニーのアートは変わっていくのかもしれない。
展開がスピーディーでなかなか激しい内容だけど、なんだかんだで清々しくラストを迎えてくれて胸を撫で下ろしてます。